俺たちはさっそく勉強会を開始した――わけだが、開始5分、とんでもないことに気付く。
「篠原先輩、ここの問題ってどうやって解くんですか」
「ああ、これはだな……ここにこれがあるからこっちに移動して、それからこれをかけて――」
「つまりどういうことですか」
「あー、ここのこれが解きづらくさせてるから移そう、って話で――」
「なるほど、ここの公式の応用ってことですね。それに移項を組み合わせている、という感じですか」
「悠、このバツ印ってなに? ワイって読むんだっけ? 移項ってなに? この公式ってなに求められるの? ていうか難しいからやめようぜ?」
気付き一つ目。不良後輩の理解力がえげつないということである。
知識として知らないことはそれなりに多かったが、教えればすぐに理解し、難易度が高めの応用問題もすらすらと解いていくのだった。
気付き二つ目。水瀬がアホすぎるということである。



