なにも反応がなくしびれを切らした水瀬の問いかけに答えるように、聞こえてきた衣擦れの音。ソファのスプリング音。そして、少し遅れてソファから起き上がった人影。
その人は、立って前髪をかきあげると、俺たちの方を見たように見えた――なにせ大逆光のせいで、前面が見えているのか背面が見えているのかはっきりしない。
「悠、どうしよ、今俺の頭ん中でボス戦のBGM流れてる。めちゃくちゃリフレインしてる」
「大変だな」
「ラスボス感エグいんだけど。この逆光とか誰が演出加えてんだよ、神かよ」
「知ったこっちゃねえ」
そうこうしている間に御影玲央だと思われる人物は近付いて来ており、足を止めると、
「……あなたたち、誰ですか」
想像より遥かに険のない声に、きちんとしたですます調で質問してきた。
水瀬、絶句――ほんと分かりやすいな、こいつ。
「…………え、不良じゃないの? 誰?」



