どんな顔になっていたかは知らないが、水瀬が吹き出し、委員長が小刻みに肩を震わせていたことから、ある程度のことは読み取れた。
この前のポーカーフェイスといい、そんなに面白い顔になっているのか?
「じゃあ、行ってみますか。よっし、悠、行くぞー!」
と、不良後輩の面倒を見ることになった俺たちは、四階の空き教室前に来ていた。
委員長いわく『玲央の居場所』。不良後輩のアジトだ。
「……よし、入るぞ」
水瀬は誰にともなく言ってから、ドアを開けた。
中はよごれているわけではなかったが、そこそこものが多い教室である。
棚の間を一列で歩くようにして中に入ると、まず目に入ったのはちょうど後ろ向きにおかれたソファだった。
あとはまあ……やけにぼろぼろなカーテンとか、足元に転がっているたくさんのテニスボールあたりだろうか。
「おーい、誰かいるー?」



