こいつはきっと、なにも考えずに返事をするくせがあるのだろう。
あるいは、考えることができる脳がないのかもしれないな。
「いいんちょー、その玲央って子って彼氏? カレカノの関係?」
「おい聞き方」
「ええと、彼氏ではないのですが……その子、もともと不良だったので、今もあまり授業に出席していないというか――」
話を聞いていて『ああ』と思ったね。正確には不良という単語が出てきた瞬間だ。俺の読みが当たっていれば、このあと水瀬は絶対に騒ぎ出すはずだ。
3、2、1――
「――えっ、不良!? 俺、刺される!? 拳で分かり合うタイプってことだよな!?」
……やっぱりな。
でも、想像以上にうるさいしアホなことほざいている――読みは半分当たって半分外れた、といった感じか。
「水瀬うるさい。お前は脳と口が直結してるのかよ」
「だって不良なんだよ? 不良って廊下歩くとモブキャラがさーって避けるやつだろ?」



