「水瀬、いいのかよ。急にカレカノとか、んなめちゃくちゃな」
「……あれ、篠原くん、私と水瀬くんはカレカノじゃないよ? 言ってなかったっけ?」
…………はい出た、春乃さんの「言ってなかったっけ?」。
俺は、やっぱりそうだよな、おかしいもんな、とわりと冷静な方だったが、水瀬は理解できていないような感じだった。笑顔が固まっている。
「え、今オッケーしたよね、付き合ってくださいって言われたよね!?」
「えへへ、また言い忘れてた。あのね、私、彼氏いるんだ。その彼氏の誕生日にプレゼントあげたいの。だけど分からないから、センスよさそうな水瀬くんに探すの、付き合ってもらおうかと思って」
明日の十時、駅前に集合できる? いろいろ探してみたいんだよね。水瀬くんの意見も参考にしたいし。
水瀬は、春乃さんのお願いをらしくもなく黙って聞いていた。
後日、水瀬はとても楽しかったということ、センスを褒められたということ、また手伝ってほしいと言われたことを嬉しそうに教えてくれた。よかったな、マジで。



