俺は春乃さんがいい人だったということを理解したものの、もやもやした気持ちを抱いたまま当日を迎えた。
もちろん、告白に対する返事をする当日である。
少しの緊張と謎のわくわくを抱えながらこの前と同じ空き教室に向かうと、春乃さんはもう来ていた。
優しい笑みを浮かべると、ささっと前髪を手ぐしで直して、「篠原くん」と俺の名前を呼ぶ。
「ごめんね。篠原くん、風紀委員でしょ? 昼休みも仕事があるはずなのに、呼び出しちゃって。大丈夫だった?」
……気まずい。どちらにせよ疲れるのは変わらないが、水瀬と話す方が楽かもしれない。
「ああ、それは水瀬に――俺の相棒に言ってあるからな。そこは大丈夫なんだが」
「そっか、ならよかった。で、さ……あの返事、いい?」
せきばらいを一つして、重い口を開いた。
「春乃さんは、まあ……誰に対しても優しいし、いつも明るいし、すごく素敵な人だなって思う」



