率直に言うと、春乃さんはすごく目立つ人だった。
理由は大きく分けて二つで、一つ目はかわいいことだ。笑うときに目尻が下がるのがとてもいい。
二つ目は人柄がいいことだ。困っている人にはすぐに声をかけるし、マナーを守っているし、人の悪口を言っている姿も見られない。
言葉足らずで勘違いされる発言をしていることがたまにあるが、そんなのは誤差のようなものだと思う。
そんなこんなで春乃さんを観察してすごし、意識してみればそれなりに接点があったことを知ったりもしたのだが、そこでやっぱり違和感――なんで俺なんだ?
俺は水瀬たちとは違い、至って普通の生徒である。
違うところといえば、俺の周りの人が普通じゃないところくらいだ。
そんな普通の生徒である俺に、春乃さんが?
俺は春乃さんの存在を知らなかったというのに?
……俺が普通かはさておき、さすがに信じられないだろ。



