今日も風紀は乱れている




音だけ聞いたら「はるにもはる」って言っていてちょっと意味不明だな。ていうか、どこが春なんだ。



「春が来るまであと半年もあるが」

「悠にもようやく恋が訪れたか、って感動してるの! うまくいく可能性も高そうだし!」

「なんでそんなことが予想できるんだ」

「『しのはらはる』って入れ替えたら『はるのしはら』になるだろ? だから!」



そうか、たしかに文字を入れ替えたらそうなる……こんなに興奮してるのに分かった水瀬の頭の構造は理解できないが。



「お、もしかして悠、初恋か? 去年同じクラスだったけど、詩原っていい人だからなー」

「初恋じゃないし、恋でもねえよ。方向が捻じ曲げられすぎじゃないか? そもそもお前、誰かに恋したことあるのかよ」

「悠には教えてあげないけどありますー!」

「隠しごとはなしなんじゃなかったのかよ……」



水瀬は屈託なく笑う。それを見て、一つの疑問が浮かび上がってきた。笑顔とは全く無関係だけどな。