ためしに先程のポーカーフェイスを挟んでみた。水瀬は再び吹き出す。癪だ。
「…………分かったよ。話せばいいんだろ話せば」
根比べに負けたのは俺だった。演技力のほかに耐久力もない。
「さっすが悠、分かってんじゃん!」
なにが「分かってんじゃん」だ。
「とりあえず見回り行くぞ。話は歩きながらでもいいだろ」
「よっしゃ、俺の勝ち!」
……本当に気に食わない。が、まあそれでいいのかもしれない。
「いいか、ちゃんと聞けよ。バカにしたらその時点でやめてやるからな。ことの始まりは昨日の朝だ――」
玄関にあまり人がいないギリギリの時間を狙って登校した俺は、上靴の上に折られた紙がおいてあることに気付いた。
『ああ告白かな、んなわけないか』などと思い、開いてみると、
『放課後、三階の空き教室に来てください』
いかにも女子生徒らしい小さくて丸い文字で書かれた文。
それを見て、悟った――これは告白の呼び出しだ、と。



