「水瀬、お前さ、敬語使えたんだな」
「え、なに悠、バカにしてんの? やる気か? お?」
「バカにはしてるがやる気はねえ」
正直に言うと、水瀬が先輩に敬語を使っているところは初めて見た。先生や委員長にも使わないのに。
「敬語くらい使えるに決まってるじゃん。一般常識だろ?」
「てっきり、お前は一般常識を崩しに行ってる側の人間かと思ってたわ。で、敬語使えるならなんで委員長とか先生には使わねえんだよ?」
「えー、気分」
気分とかそういうもので決めちゃいけないってこと、こいつは知ってるのか?
「だってさ、ユア先輩かわいいじゃん」
「まあそれはそうだが、俺的には委員長の方がタイプだな」
「悠は委員長推し? 絶対ユア先輩の方がかわいいって。ていうか悠、そんなこと言ってるけどさ……」
にやにやした顔で俺の顔を覗き込んできた。はっきり言って気色悪い。
「なんだよ。言いたいことあるんだったら言え」



