今日も風紀は乱れている




俺はどちらかというとスカートの方に釘付けだったが、水瀬はギャル先輩の上半身に釘付けになっているようだった。


……おい、プライドはないのか、プライドは。



「とにかく、行くぞ。さすがにあそこまで校則ガン無視してる人をスルーしてたら委員長になんて言われるか」

「お、おう……」



なにに見とれているんだか知らないが、ぼけっと突っ立っている水瀬を連れて、ギャル先輩に近付いた。



「すみません、風紀委員の者なんですけど、ちょっといいですか」

「え〜、だる〜。どした?」



ギャル先輩は周りのギャルとの会話を一時中断して振り向いた。


大きくてぱっちりした瞳が向ける視線が、俺に止まる。



「身だしなみについてなんですけど、それ――」

「あ、バレちゃった?」



……軽っ。そんなもんか?



「ウチさ、風紀委員に見つからないように、昼休みは教室の陰ですごしてたんだよね〜。頑張って廊下から見えない死角とか探してさ、大変だったんだけど、ついにバレちゃったか〜。
 そうそう、ウチは一ノ瀬(いちのせ)ユア。みんなはユアちって呼んでるんだ〜、よろしくね!」