引き受けたにも関わらず呑気に雑談しているが、まあそのうちひょこっと出てくるだろうと思っている。
猫だしな。日向ぼっこしてる可能性もあるし。
それにこの学校、そこそこ広いから、隅とか、物陰に隠れていたらどっちみち探しても見つかるわけがない。
……あーあ、目の前に飛び出してきてくれたらなー。
「ちょっ、悠、見て!」
「なんだよ水瀬。神様でも見えたか?」
「神様なんてもともと見えてる! それよりも、猫!」
猫!?
驚いたまま水瀬の指さす方向を見ると――猫だ!
まるで俺たちのことを待っているかのようにじっと見つめてくる。
一般生徒はそれぞれの会話などに夢中でこの猫を見ていない。視界にすら入れていない。
となると……。
水瀬と顔を見合わせて、頷いた。
「悠、追いかけるぞー!」
うおおお、と雄叫びを上げながら水瀬は走り出した。俺もそれに続いて走る。


