「猫についての詳細というか、どうしてこういうことになったかなんですけど――一回で聞き取ってくださいね――どうやら授業中、校長室で飼っている猫が脱走したらしいんです」
「なんじゃそりゃ――じゃなくて、なんですかそれ」
危ない危ない。先輩にタメ口をきくところだった。
にしても、校長室か。
正直「この学校に猫なんていたのかよ」とか「っていうか、校長室で猫って飼っていいのかよ」とか、言いたいことはたくさんあるが……校長室か。
この言葉を聞くと、ちょっと前にあった嫌な出来事を思い出す。
「今日は校長室行こう!」という水瀬の提案のあと、またしても水瀬によって強引に校長室まで引きずられ、ドアの前まで来たわけだ。
そこで例のごとく揉め、どうしても行きたくなかった俺は全力で水瀬を止めようとして――そこで中から校長先生登場。
……ああ、あのときの気まずさと言ったら……思い出したくもない。


