授業への出席数は半分もいっていないものの、テストの順位は10位。こいつもおかしいといえばおかしいんだよな。
「あ、コツですか? コツはですね……」
俺の視線をどう受け取ったのか、不良後輩は自分のことを話し始めた。俺は聞いてないぞ。
「先に言っておきますけど、篠原先輩のおかげではないんですよね。俺、意外と復習と練習するタイプなので、そのおかげです――」
「おい今までの努力返せ」
「――なんてことはなくて、篠原先輩のおかげです」
「そう、そのとおりだ。主に俺のおかげだ」
「あとは、テスト前にてるてる坊主作ってぶら下げて、あとはとんかつ食べてます」
「てるてる坊主必要あるか? とんかつはともかく 」
不良後輩は「ルーティーンですから」と適当に流すと、水瀬の方に顔を向けた。
その表情は獲物を見つけた肉食動物のようである。



