俺はいきなりなにを言い出したんだと思ったが、ほかの二人は違った。
水瀬の意見に、首を縦に振っている。
「悠、熱っていうのは38℃からだろ?」
「熱が38℃から? 平熱は36℃台だから、じゃあ37℃台はなんなんだよ?」
「平熱」
「その理論だと俺今めちゃくちゃ健康体だな、倒れてるけど」
「そうですよ」と口を挟んできたのは不良後輩だ。「私も同意です」と委員長も言う。
そうかよ……ってなんでみんな立ち上がってんだ? 授業に戻るにしては唐突すぎないか?
これはダメだとでも言わんばかりの三人は、カーテンを開けて出ていく前に一言ずつくれた。
「篠原くん、もっと体力をつけることをおすすめします」
「先輩って案外貧弱なんですね」
「悠、俺が熱あるときに測った100メートル走のタイム、11秒台なんだけどさ――」
「知らねえよ疫病神」
やっぱり熱は怖いね。
授業には出られなくなるし、知り合いどもからは37℃台ってだけで見捨てられるし……な。



