それを捉えたのとほぼ同時に感じた、薬品と消毒液がまじったような匂い。
……あぁ、保健室か。
首だけ動かして横を見ると、人の姿が見えた。
心配そうな委員長と不良後輩、それから興味深そうな水瀬。
やっと理解できた。
つまり俺は水瀬を追いかけて走り出し、途中で倒れたと。そして保健室に担ぎ込まれたと。
「……だれがどうやってここまで運んだんですか」
「え……?」
「篠原先輩……」
「悠っ!」
俺が言葉を発した途端、お見舞い三人衆は覆いかぶさるようにして身を乗り出してきた。
死の間際からよみがえったわけでもなんでもないんだがな。
「誰がどうやってここまで運んだんですか」
「えー、それ聞いちゃう? 第一声はやっぱり『ここはどこ? 私は誰?』じゃないわけ?」
「水瀬先輩、それ現実で言う人いると思います? あ、運んだのはアホの極みではなく俺なんで、安心してください」



