「やっぱり今日の悠、ぼーっとしてるよ」
拾ったプリントを半分に分けて持ちながら水瀬が言うが、「そうなんだよ実はさ……」などとは言えない。ここで帰ってたまるか。
「ま、そんなときもあるよな! 俺も『次は悠となにして遊ぼうかな』って考えるときはそうなるし」
「やっぱり計画的犯行だったんだな」
「なにが? でも、そういうときもあるよなってこと。だから、俺たちは走るしかない!」
どういうつなげ方だよ。お断りだな、走るのは。
「よっしゃ行くぞ! よーい、どん!」
水瀬は勝手に走り出し、俺もつられて走り出した。反射である。
……一応、大丈夫そうだ。走れているし、それなりに体は強い方ということか。
だけどなんだか頭がふわふわして、足元がぐらぐらしてくる――これってデジャブか?
よくわからない不安定な感覚から逃れ、開いた俺の目にうつったのは真っ白な天井だった。



