着ぐるみの頭だけが落ちていたり(なんで『頭だけ』なんだよ、軽くホラーだろ)、誰かの名前入りマグカップが棚におかれていたり(よく見たら生活指導教師の名前だった)したからな。
水瀬はそういうのを見ていなさそうにしているわりには、やけに楽しそうに奥へ進んでいく。
それにつれてどんどん暗くなっていき、埃っぽくなっていき、道が狭くなっていった。
段ボールなんか、天井近くまで積み上げられている……倒れてきたらぺしゃんこなんだろうな、俺ら。
ていうか水瀬、なにか目的があるのか? 俺を先導して迷いなく奥へ進んでくけど……。
でも、2年生になってから数ヶ月一緒にすごしたけど、俺を騙すようなやつには思えないんだよな――
「ぅわっ!」
声を出してから、慌てて口を押さえた。無意味だっていうのは理解していたんだけどな。
どういう状況かというと、なにかに足が引っかかって転びかけたのである。


