「篠原先輩! 七海先輩! ……大変ですねこれ」
その少しあとにやってきた不良後輩が言う。全くもってそのとおりだ。
「ごめんなさい、俺がちゃんと水瀬先輩を監視しておけば、こんな脱獄沙汰も悲惨なことも起こらなかったのに」
水瀬は極悪人かなにかか? 破壊神であるのはたしかだが……。
にしても、なぜ水瀬の魔の手を回避できなかった?
ついこの前、廊下で飛びつかれそうになったときは避けることができたんだけどな。
四人でプリントを回収していて、頭痛がひどくなるのを感じた。
体も重く感じる――さてはお前のせいだな、疫病神水瀬。
ようやく半分拾い終えたくらいのタイミングで、腕時計を確認した委員長が「このあと用事があるんだった」と言い出した。
不良後輩もついていくとは思わなかったが委員長が一足先に戻り、廊下には水瀬と俺と、散らばったプリントが取り残された。



