半分本音、半分嘘をまぜてそれとなく断る。
続けたいのは教え甲斐があるからではなく、残りの授業を受ける体力を温存しておきたいからだ。
「あ、ごめんなさい、それは無理そうです」
「……理由は」
「水瀬くんはプリントをばらまく気がするからです。それに多くの先生から『水瀬颯は連れてくるな』と言われていて」
なんて言われたか再現しますね、と委員長は咳払いを一つしてから、
「『水瀬颯良はなにもかもを壊す破壊神だ。あいつが来ると、物体も、学校が作り上げたルールも、一般常識も、職員室内の空気も壊される。あいつは疫病神だ。世界の様々な問題はあいつが原因だ』――そう言っていました」
厳かな口調で、でもすらすらと再現した。
破壊神なのか疫病神なのか、世界の問題の根源なのかは分からなかったが、『水瀬お断り』という堅い意思はよく分かった。



