ただなんとなく眺めているうちに、淡々と水瀬をバカにしていた不良後輩がこちらを見ていることに気付いた。
おっと、巻き添えを食うことになりそうだ。
「篠原先輩も今日は分かりづらさに拍車がかかってますよね。アホの極みとまではいかなくても、アホの極み始めと呼んでおきます?」
不良後輩は俺にも遠慮なく言葉をくれたが、なぜか目が小馬鹿にしていない。
というか、心配されているように思えるのは気のせいか?
バレているように思えてくるのは気のせい……か?
さらになにか言おうと不良後輩が口を開きかけたとき、ガラガラとドアの開閉音が響いた。
棚の陰からひょっこり顔をのぞかせたのは委員長。
「勉強中に申し訳ないのですが……篠原くん、借りてもいいですか?」
「委員長じゃん! 別に悠は連れてっていいけど、なにするの? まさか、この前俺にあんなこととかこんなこととかしてくれたみたいに――」



