「まあ……いいが」
俺が承諾すると、不良後輩はリュックをあさって数学と英語の教科書を取り出した。
「今週授業でやったとこか?」
「そうじゃなくて……数学はこの単元全部です」
不良後輩が指さした単元のページ数を数えてみる。約七十ページ。……おい、ふざけんなよ。
「あと、英語は全部です」
あー、やめてくれ、聞きたくない。
全部ということは4月から今まで習った部分ということだよな?
……おい、ふざけんなよ!
「お前、さては授業出てないな?」
「え、当たり前ですけど」
「俺出ろって言ったよな!? 授業出ないのが当たり前なわけないだろ!」
「悠、当たり前だよ? 俺だってしょっちゅうだし」
そもそも委員長はどうしてるんだよ。推測するに不良後輩の保護者的存在だと思っていたんだが。
パラパラと教科書をめくる不良後輩に聞いてみると、「なにも言われてないです」という答えが返ってきた。なにやってんだ委員長。



