「悠、もしかして熱ある?」
水瀬のその問いを「ねえよ」と一蹴したが、実は図星である。
俺は今、絶賛体調不良中なのだった。
そのことに気付いたのは今朝のことだ。
ベッドから降りたときにたちくらみ、親と話したときに喉の痛み、食事中に頭痛、制服に着替えたときに体のだるさを感じた。
ためしに熱を測ると37.8℃。その数字を見て、学校に行くことを決意した。
俺だって本当は休みたかったよ。37.8℃とはいえ、これから上がりそうな予感もあったしな。なにせ、熱はいろんな面で怖い。
だが、授業を休んでいるうちに内容が進んでしまったら、俺みたいな平凡頭脳の持ち主は終わりだろ?
「ないって、本当かよ? 隠してたりしないよな?」
迷ってから、「んなわけないだろ」と切り捨てた。
相手が水瀬だから分かると思うが、心配をかけたくなかったからという理由ではない。



