あの夏、君の声が消えた

 4月

 世間が入学式だの新生活など浮かれている中俺は1

人歩いてる。

クラスでも地味な俺には関係のない話だ

「よぉ慶!」

「…お前か。朝っぱらからなんの用だ」

こいつは朔。小学校から一緒でなんだかんだいつも一

緒にいる。

サッカー部のキャプテンでイケメン、老若男女問わず

モテている。

なんでこいつが俺といるんだか⋯

「朝からそんな辛気臭い顔すんなよ。っと呼ばれたら
から行くわ」

「おー」

教室に座って、授業を受けて、飯を食って、また授業。

気づけば帰る時間で、あとは寝るだけだ。

やっと金曜日だ。今日の夜はラーメン食ってくか。

「……っう、うぅ……うぁ……ッ」

どこからか泣き声が聞こえた。

うぇー。めんどくさ、でもほっとくわけにはいかないよ

な⋯。

「どうしたんですか?ほらティッシュとお茶。あ、ちゃ

んと今買ってきたんで大丈夫ですから」

「あ゙りがどうございまず」

同い年くらいか?

「じゃあもう行きますから」

あれ。前に進まない。

「いかないで……いかないで……っひとりにしない

で……!」

ほら、めんどくさい。これだから嫌なんだ

「…いかないで」

そんな顔されたら帰れないじゃないか。

俺は無言で彼女の隣に座った

「 すぐ泣き止むから、だからちょっと……だけ……っう、うぅ……うぁ……ッ」

数分経って彼女は泣き止んだ。

「すみません、迷惑かけてしまって。あ、お茶代返しますね」

「いえ、結構です」

「え?」

彼女はまだ赤い目を見開いてこっちを見た。

「俺が勝手に買っただけなんで」

一瞬固まってそれから微笑んだ。

「じゃあ、お言葉に甘えて」