キューピットが恋しちゃダメなのに

私キューピット、エナ。

毎日人間達を恋に溺れさせる――って言っても悪者なんかじゃないからね?

その後は人間しだい。

キリキリって弓を引く。

何十回、何百回と繰り返してきた動き。

でも、誰かの人生を決めることだから緊張する。

震える手を落ち着かせてから、もう一度狙いを定める。

それがキラって地上に消えていくのをみると、すごく安心するんだ。



「エーナ!」

「わっ、びっくりしたー。なんだルイか」

「そこはきゃあ♡♡ルイ様だ///だろ」



同い年のルイはみんなの人気者、というかチャラ男。

キリッとしたまゆと反対に、少したれた大きな目。

スっと通った鼻筋とセンターでわけられた薄茶色の髪は、焼けた肌に柔らかい影を落としている。

こんなに整ってたら女の子達も恋に堕ちるよね。



「・・エナ?」



いけない、またぼけーっとしちゃってた。