きらきらでかわいいまっしろ

「なるほど。それが嬉しかったんだ?」

「はい。クラスの周りの子たちはもっと前からシール交換とかプロフィール帳交換とかしてたんです。私も、他の友達と平成女児グッズで遊んでたので、実里ちゃんたちとの交換ノートが初めてってわけじゃなくて。でも実里ちゃんは初めて交換ノートを受け取ったから、嬉しかったようです」

「そういうことね。実里ちゃんってあんまり友達はいないタイプなのかな?」

 私が思ったことを、はーちゃん先生が代弁してくれた。聞きにくいことだったが、すっぱりと先生が尋ねてくれてほっとした。

「うーん、確かにそんなに多いほうじゃない気がします。もともと性格がおとなしいから、友達に囲まれてるタイプの人ではないです」

「なるほど。じゃあ翠ちゃんと、もう一人一緒に交換ノートを始めた子が一番仲が良い友達ってことなのかな?」

「そう、ですね。わたしも特別仲良しって感じじゃなかったんですけど」

 あれ、どうしたんだろう。
 翠ちゃんの目が一瞬泳いだような気がする。それに、「特別仲良しではない」とわざわざ付け加えるのも、なんだか翠ちゃんらしくないような。
 それにさっき、“実里ちゃん、仲が良いのはわたしともう一人の友達ぐらい”と言っていたような。

「そんなに仲良しじゃないけど交換ノートをしようと思ったの?」

「い、いや、普通に話はしますよ! ただ、もっと仲良くなりたいなって思って交換ノートを始めようと思ったんです。ごめんなさい、さっきはすでに仲良しだって嘘つきました。仲良くなるとしたらこれからだったんです……」

「そういうことか」
  
 私はようやく、彼女の言わんとすることが分かり、腑に落ちた。
 翠ちゃんは実里ちゃんとそれほど仲良しの友達ではなかったが、交換ノートをきっかけにして友達になろうとしていたんだ。どうして最初に仲が良いと嘘をついたのかは分からないけれど。健気なかわいらしさを感じて、胸がきゅんとした。
 新しいクラスになった直後ならまだしも、今は九月下旬。クラスでの仲良しグループも固まっているだろうから、そんな中で新しく交友関係を広げるのは勇気がいるだろう。翠ちゃんは交換ノートというアイテムをうまく使おうとしたのだ。

「だからもしかしたら、交換ノートがきっかけで実里ちゃんは休んでるのかなって……。白い影のことはよく分からないけど、実里ちゃんの日常が変わったとしたら、交換ノートなのかなぁ。家庭のことはよく知らないから、もしかしたら家庭で何かあったのかもしれないけど」

 翠ちゃんの推測は、翠ちゃんの目線からしたら確かにそうとしか言いようがなかった。