きらきらでかわいいまっしろ

「その時の状況を、もう少し詳しく教えていただけませんか? 学校に来なくなったりおさんのお友達って、どんな人だったんですか?」

 私は、テーブルの向かい側のりおさんにぐいっと身を乗り出すようにして尋ねた。

「私から見たら、別に変わった子という感じではなかったんだけど……性格がさっぱりしているというか、あんまりみんなと仲良くしようとするタイプではなくて。話しかけられても基本は興味なさそうな受け答えをする子だったから、クラスメイトからはちょっと嫌われてた……のかな」

 歯切れの悪そうに答えるりおさん。
 りおさんの言葉から想像される彼女の友達は、一匹狼的なところがある、会話下手な女の子なのかなと感じた。
 でも、そういう子だってたくさんいる。
 女の子がみんな、集団になることを好むわけではない。一人が好きな子だっているし、共感を求められる女子同士の会話に辟易しちゃう人だっているだろう。
 きっとりおさんの友達も、そういうタイプなのだ。

「私は仲良くしてたんだけど、数少ない友人の一人って感じだった。その友達……絵美(えみ)っていうんだけど——絵美は、クラスの気の強い女の子たちからちょっとしたいじめを受けてたの」

 いじめ、というワードに翠ちゃんの肩が分かりやすく揺れた。
 私も、先ほど電車の中で見た「まっしろ事件」のことを思い出して、妙な胸騒ぎを覚える。

「いじめって、どんな内容だったのかな?」

 大人の代表として、はーちゃん先生がりおさんに問いかけた。
 りおさんは「えっと」と過去の出来事を思い出しながら、ゆっくりといじめの全容を語ってくれた。

「いじめと言っても、物を隠されたり仲間はずれにされたりする程度なんですけど……。それほど過激ではなくて、チクチク針で突かれるような、地味ないじめが続く感じでした。でも、どんないじめにせよ、やられたほうはたまったもんじゃないですよ。絵美ちゃんはなんでもないって顔してましたけどね。私は何度か、いじめっ子たちに注意しました」

 りおさんのその勇ましいエピソードを聞いて、翠ちゃんがはっと目を大きくした。
 どうしたんだろう。何か心当たりがある様子だが、翠ちゃんは口を開かない。
 気になったけれど、りおさんの話を遮りたくなくて、翠ちゃんには何も聞けなかった。
 りおさんがいじめっ子たちに注意をしたというのは、とても立派なことだと思う。私だったらたぶん、見て見ぬふりをしていたと思うから。