鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜




無理。
無理。
無理。
無理。


…無理。


お父さんが帰ってきた。

「アキ、大丈夫か?すまんが今日はこれで話す時間は終わりだ。あと1回なら鏡の世界に来てもいい。今日はもう早く戻った方がいい。また。」


私はしばらく立ったままだった。


放心状態になっていて…もう。


何分たったのだろう。


誰かとても可愛い、美少女という感じの人が近寄ってきた。


「あのっ、すみません。どうかされました?」


「あっ、あ、ううんっ…」


なるべく明るく。涙は出さず。戸惑わず。


「だ、大丈夫ですかっ!?」


なんだか知らない人なのに知っているような。


分からないけどその人の側は安心できた。


私は泣き出していた。でも堪えられなくて。


沢山泣いた。もう、わかっているのに。受け入れられなくて。


そして、その様子を暖かく見守ってくれた。


「落ち着きましたねっ!」


その子の声は綺麗で澄んでいた。


でも私と同じようにどこか少し諦めたような。


そんな感じがした。

って、私お父さんのこと諦めた訳じゃ…ないはず。