鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜



「悠人はおそらくまだ現実世界に戻りたいと思っている。だからまだこの世界の住人。俺は…まぁ、いいとして。」


とにかく住人と何かがあるのだろう。でもそんなの知らない。今の私には関係ない。


「悠人は…住人でありながら現実世界のまとめ役に着いた。」

それが…?

「それはな、凄いことなんだ。」


そんなこと…どうでもっ!

「今の世界があるのは悠人のおかげ。悠人はこの仕事を長くやり続けなきゃ行けないんだ。もう間に合うことなど…。」

深刻そうな顔をして下に顔を向けるハルのお父さん。


お父さんはお父さん。話せていなくっても。


でも、もう遅かったの…?

もう、現実世界ではお父さんは、いなくなってしまうの…?


いや、それはない。私たちの心の中にはいるから。

だとしても…。


「ごめんな。少し現実的すぎたかもしれない。
ただ、この世界は悠人がいるから回っている。ごめんが…おそらく、悠人を現実世界に戻すことはできない。」


戻すことができない。その言葉が私の頭の中で反響した。


全員助けることなんて不可能だった。私はヒーローでは無いんだ。淡い期待を抱いていたけど、そんなこと…。


『無理』なんだ。