鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜



「お父さん!お父さんはお父さんだよ…、たとえ会えてなくってもきっと思いは通じるよ!」


「なんでだよ…俺は、育児が今からという時に昏睡状態になったんだぞ…そんな俺に『お父さん』を名乗ることなど…」

「おい、1回落ち着け。悠人(ゆうと)。」

「…わかった。アキ、多分、俺を助ける方法だよな…それは、多分できない。俺はもうこの世界の住人なんだ。だからもう…」


「本当にないの?」

「…本当だ。」


「ごめんね、親子の水入らずのところ、あのー、一旦悠人向こう行って。」


その言葉でお父さんは遠くに行った。ただ心配そうな顔をして。

「アキちゃん、ごめんね。あの…悠人を現実世界に引き戻す方法なんだけど…できることにはできるんだけど──」

「どうやって!?」


「いや、まって落ち着いて。それは悠人のこの世界をまとめる役割を捨てないと行けないんだ。」


この世界をまとめる役割を…捨てる?


「もう現実世界の悠人の体は限界に近い。おそらく、わかっていると思うが。」


「そんなこと…知りませんっ!」

もしかして、だけどママ?教えてくれなかった…?

「多分あきちゃんのこと気遣ってだろうね。えっと、戻るとこの世界をまとめる役割は簡単に引き継げない。」

そんなこと…言われても…。