鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜



「……本当に、お父さんだ。」

「ふっ。そうだぞ。私がアキ、お前のお父さんだ。と言っても、もう、私は現実世界に戻れないがな」

なんで、なんでよ。

お母さんだって、私だってお父さんに現実で会えることを望んでいる。

今だって、すっごい嬉しいんだよ?

だって…物心着いた頃にいなかったお父さんと話せてるんだから……。


「お父さん!あえて…嬉しいっ!」

私は思わず抱きつきに行った。

今日やっと話せたことと、会えて本当に良かったこと。

「いや、アキ、前の言葉聞いたか?」

「え?前の言葉?」

思わず復唱してしまった。

お父さんが前に言っていた言葉…?

それは…忘れるわけないよ。

今は会えて嬉しいけど…でもさ、『現実世界に戻れないがな』って、そんなの忘れるわけない。

私が、私が忘れるわけないよ。だって、会えてなくてもお父さんなんだから。

「私はもう現実世界に戻ることはできない。この世界を回している以上。」

なんでよ、なんで……

「私がこの世界から離れたら、どうなると思う?きっと、この世界は自然と消滅していく。それでは現実も…。」

「ストップ」

ハルのお父さんが止めた。

私も聞きたくなかった。

でも聞くべきだった?いや、これは私の関わっていい事なのかな…?