鏡の世界に入る時の鏡は面白い。
この世界にはいる感触はなかなか文では表せないな……と思った。
この世界は、不思議、何故か入った瞬間に会いたい人に会うことが多いのだから。
「こんにちは、ハルのお父さん。」
「こんにちは、アキちゃん。」
ああ、もう会えない、合わないと思っていたのに……。
「さて、どうしてこの世界に入ってこれた?」
えっと……。
「その口振りだと入るためには条件がいるように見えますが。」
ハルのお父さんは、しまった!みたいな顔をしてから、冷静な顔に戻って。
「そんの条件知るわけない。」
この人が幹部のような存在だとしたら、もっと上の存在になれないのがわかったかも。
すぐ顔に出るから情報漏洩のリスクが高いんだ。
もっともっと大切な情報があるはず。それもきっと、この人は知らない。
じゃあお父さんはどこにいるか知ってるの?
「お父さんのいる場所……知ってるの?」
「えっと……それは……」
やっぱり隠し事苦手だ。
「はぁ、お前、素直すぎるだろ」
私の後ろから知らない声が聞こえてきた。
え?だれ?と思って後ろをむく。
そうしたら……時々だけど見たことがある顔があった。
「お、おと、うさん……?」
「そうだぞー、その人がアキのお父さんだ。」
「こんにちは、アキ。」

