鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜



「ハール。」


「あっ凛。」


「ついに目を覚ましたんだね。」


「お陰様で。っていうか花いっつも置いてくれてたんだって?ありがと。」


あれ?私の事は確実に覚えてるな……?


「それでさ本題なんだけど、この子覚えてるよね?」

私はスマホを開いてアキの写真を取りだした。


それをなるべくハルに見えやすいように、あと医師に何を見てるんだ?と心配されないように、少し医師の方に傾けて。

「ごめん。分からない。でも、俺が目を覚ました時に、そばにいた人だと思う。」


「え、」


それは思わず漏れた声、というか音だった。


本当に忘れてしまった。嘘だ。嘘だと言ってよ。




ねぇ
ほんとに?
「ほんとに?」

心の声と重なった。



でももうそんなのどうでもいい。親友がその親友の好きな人に忘れられるなんて……。


そんなことないで欲しいから。



アキは悩みやすい性格で、どの意見も、いいところがあるからと否定できずに、考え込んでしまう。


その結果、どっちでもいいかな。が口癖。


今も実際に悩んでしまっている。


でも、これを教えると答えを差し出せることにはなる。


でも、こんなのアキが傷つくに決まってる……。


「ほんとだって。どうしたの凛。」


「あっ。うん。」


近くにいた医師が声をかけてきた。


「どうしましたか。」

「えっと……。すみません、外で話していいですか?」


「はい。」

「ハル、ちょっとまってて。」