鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜



私は入った鏡から出ようと立ち上がった。ハルは……私と反対方向に行ってしまった。


鏡の近くまで来た時、誰かがいた。



「こんにちは、アキちゃん。」


知らない人。

なのに名前を知られているという恐怖。


この恐怖は最近で2回目だ。

ハルとこの人。

こわっ。


「誰ですか?」

「あっ、おれか?俺はな……ハルの父だ。」


えっ……ハルってお父さん死んじゃってたはずじゃ……。

「俺はもう死んでいるが、この世界を任されている」


この世界を任されている人……。

「それはどういうことですか?この世界を操ってる人ってことですか?」

この説があっているとしたら……。


ハルはこのお父さんと話して、この世界のことについて知ったのでは……?


「ははっ、そんな偉い人ではない。まぁ、偉い地位にはいるけどな。」


「そう、なんですね……。」


「ハルの意見を上に報告した。それで、ここでの暮らしが少しでも良くなってくれると嬉しい。その位の立場だ。」


やっぱりハルの家の人はみんな優しいんだな。


「優しいじゃないですか。」

「ありがとう。そして、話だ。」


「話……?」

話って何を話すんだろう。


「ハルは、もし戻れたらこの世界の記憶をなくして、戻るからな。それは、注意しておけ。

あと…。もしかしたら、なにかあるかもしれないからな。」


「?…はい?」


な、なにかがあるかもしれない?



一体、何があるのだろう。そして、私の記憶は戻った。だからね、もう一度、神社に行って、思い出の場所に行ったことにする。


あの場所は、悲しい思い出の場所なはずだから。



私は、鏡に全身を通して現実世界へと行った。


あったかくなったー!


やっぱり冬場の2度くらいの差は違うなー!



「っあ!牛乳買わなきゃ…。」


私はスーパーへ足を運んだ。