鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜

<Sideアキ>


全部の記憶と言っても、さすがに時間が経ちすぎて忘れてしまっている部分もある。

ハルとの会話は一部始終覚えてるわけではない。

ただ、思い出として残っている部分だけ思い出せた感覚。

ハルと私が雨の日公園に行って、砂場で遊んで泥だらけになって家に帰ったこと。

同じクラスになって、喜んでいるとこ。


ハルと私の誕生日が近いから、一緒に祝ったこと。


今なら、沢山の思い出を思い出せる。

思い出って思いをもう一度掘り出せるって意味なんじゃないのかな?

正しくは忘れた。というか、正解があるか分からない。

だから、私にとっての思い出は、思いを掘り出せるものってことにしておく。


私にとって、ハルは……大好きな人なんだ。


だから、ちゃんと役目を果たさなきゃ。


ハルに申し訳ない。


「アキ、あとはお願い。」


ハルはバトンを私に渡すような仕草をしてきた。


そういえば、これはよくやってたな。
私はそれを勢いよく掴んだ。


「お願いされました!」