鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜


<Sideハル>


俺は話した。ここが俺の気絶した場所だということを。


あの時、

『なぁ俺、ここの階段で、落ちて気絶したんだ。』

と言ったことを。


アキはちゃんと聞いてくれた。体の負担は少なからずあるはずなのに。



「じゃあ、私、ハル、凛はここの広場で遊んでて、ハルが階段から落ちて、気絶した……。」


「そうなるね。」


アキにこのことを言うのは、アキが自分を責めてしまうことになるかもしれない。

「まぁ、俺の不注意なんだけど。こんなことに巻き込んでごめんね。」


「不注意……私のせ────」


「俺の不注意だから。」


アキの言葉をせえぎってしまった。

でも、アキに自分を責めて欲しくない。

「気にしないで。アキに悲しい思いさせたかもしれない。だから、これは俺のせい。アキが自分を責めるのなら、俺を助けるってことで、気にしないようにして。」


こうでも言わないと、アキは自分を責める。

俺は、申し訳なかった。階段から落ちて、この世界に言ってしまったことが。


アキや、凛が、自分を責めることに繋がってしまうかもしれないから。


でも、俺は父さんに会えた。

気絶することは良かった訳では無いけど、父さんにあえて、良かった。


「わ、わたし、思い出せた。ハル、との記憶。」


言われた瞬間何を言っているのか分からなかった。

お、思い出せた……。


「ほんと?うそ、じゃない?」


「うん……。全部。」

それは……俺が助かるかもと、希望が大きくなった瞬間だった。