鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜



「ここじゃないんだけどさ……川に溺れた時、助けてくれたのってハル、だよね……」



「うん。ハルが助けたって聞いてる。」


そのこと、ハルは話したんだね。



凛は、私たちのこと心配しただろうな……。

いくら助かったとしても、気になっただろうな……。




助かった後に、クラスの男子から、からかわれたな。


私、かっとなっちゃったけど……。


ハルも怒ってたな……。



「私、ボール取りに川に入ったら溺れたみたい。」

その恐怖は変わらないと思う。でも、私は恐怖をいつか打ち勝てるようになりたい。



「思い出、なんだね。」


凛の言葉が、引っかかった。



確かに溺れたことがハルとの思い出というのもなんだか違うような感じがする。



私とハルの思い出……。私の心の変化とかだったりするのかもしれない。




ちょっと辻褄が合う。


でも、ここの思い出ではないから、あの川に行かなきゃ行けないな。



一応、今日が冬休み最終日だから……。


今日は、帰る途中に寄ろう。それで、冬休み終わりすぐだから、ちょっと早めに帰れるはず。



そこで、ハルの病室に行こう。



ハルが起きることを願って。



この時の私は知らない。



ハルがまだ、起きることの無いことに…。