「律さん……わたし、また笑える日がきますか」
「うん。焦らなくていいよ。
歩けるときに歩いて、休みたいときに休めばいい。
俺が隣にいるから」
「……ありがとう」
その声は弱かったが、
確かに“生きようとする力”が戻り始めていた。
そして蘭は、
もう一度、律と一緒に、
明かりの灯る家へ帰っていった。
家に戻ってからも、蘭の心はすぐには癒えなかった。
朝起きられない日がある。
ふとした瞬間に涙が溢れる。
赤ちゃん用品の広告を見ただけで胸が痛む。
律は無理に励まそうとはせず、
静かにそばにいることだけを選んだ。
ある日。
蘭が寝室で丸くなったまま動かないでいると、
台所からふわりとお味噌汁の匂いが漂ってきた。
「蘭さん……お味噌汁だけでも、少し飲まない?」
「……飲めるか、わからない……」
「大丈夫。飲めなくてもいいよ。
でも、ここで一緒に座ろう」
蘭はゆっくりと席に着き、
湯気を見つめているうちに、
一口だけお椀に口をつけた。
「……あたたかい……」
「うん」
その一言に、
律の目がそっとゆるんだ。
「うん。焦らなくていいよ。
歩けるときに歩いて、休みたいときに休めばいい。
俺が隣にいるから」
「……ありがとう」
その声は弱かったが、
確かに“生きようとする力”が戻り始めていた。
そして蘭は、
もう一度、律と一緒に、
明かりの灯る家へ帰っていった。
家に戻ってからも、蘭の心はすぐには癒えなかった。
朝起きられない日がある。
ふとした瞬間に涙が溢れる。
赤ちゃん用品の広告を見ただけで胸が痛む。
律は無理に励まそうとはせず、
静かにそばにいることだけを選んだ。
ある日。
蘭が寝室で丸くなったまま動かないでいると、
台所からふわりとお味噌汁の匂いが漂ってきた。
「蘭さん……お味噌汁だけでも、少し飲まない?」
「……飲めるか、わからない……」
「大丈夫。飲めなくてもいいよ。
でも、ここで一緒に座ろう」
蘭はゆっくりと席に着き、
湯気を見つめているうちに、
一口だけお椀に口をつけた。
「……あたたかい……」
「うん」
その一言に、
律の目がそっとゆるんだ。


