私は、自分の名前と同じ名前の花を抱えて、ある人に会いに行く。
きっと、あなたならこの花の名前が分かるよね。
あの時、中庭に咲いていた花の名前を調べて驚愕した。
シラン、ママハハのシリヌグイ、両方共に花の名前だったなんて。あの時、私が転んだ時に衣服についていた植物の名前のことを言っていたんだね。
青木くん、発する言葉が少ないよ。主語がないから分からなかったよ。
探すのにも時間がかかってしまった。
私のこと覚えてくれているといいな。
「いらっしゃいませ、どのような花をお探しですか? あ、君は━━」
とある花屋に入店すると、エプロン姿の店員が、出迎えの言葉を詰まらせる。
やっと、見つけた。懐かしい。あの頃の面影がある。
その反応は、私のことを覚えているということだよね?
「青木くんっ!この花と共に、私の気持ちも受けとってください!」
顔中真っ赤になりながら、私は藍の花を差し出した。
「この花は?えっと……あ……い……ちゃん?だよね? ははっ、懐かしいな、よくここが分かったね?相変わらず、突っ走ってるね、え?ちょっ、いきなり?」
「……だって、ずっと、ずっと、後悔してたの!あの時は、本当に、私……学校とかでも色々と言われてて、青木くんもやっぱりそうなのかって思って……。青木くんっ、言葉が少ないよ!」
「あー、なんか俺言ったかな……ごめん。
あの、この花のお礼と言うか……あれだけど、これ、ほら、早く受け取ってよ」
青木くんは、店先の低木に咲いている花を手折り戻ってくると、そっと私に向かい差し出した。
花束を渡して、お礼に花を貰う。しかも勤めている花屋の店先に咲いている花を渡される。これは、いったいどんなシチュエーションだろうか。
昔だったら、速攻で結論を出していた。
散々振り返ってきた思い出から学んだこともある。
きっと、青木くんの行動には意味がある。
まじまじと差し出された花を見つめる。
図鑑を見てきたから、それなりに花の知識はある。
あっ!エビ茶色の花は、《《アオキ》》
「━━アオキ?」
「そう、だから、この花と一緒ってこと。これ藍の花でしょ?」
「《《藍》》」花の名前のことなのに、自分の名前を呼び捨てにされたみたいで、くすぐったくて、ふわふわとした気持ちになる。
「う、うん、そう、藍の花。え、じゃ、じゃあ……?」
「あいちゃんは、すぐ突っ走るよね。ははっ、あの頃と変わらない。でも、花のこと調べてくれたんだね。嬉しいな。ゆっくり始めよう、これから一緒に」
「うん!宜しくお願いしますっ!」
「ははっ」
「ふふふ」
私達はいつの間にか、あの頃に戻ったように感じていた。
もうあの時のことを振り返って、後悔に苛まれることはないと思う。今度は笑い話として受け入れられるかな。
これから、やっと前に進んでいけそうだから━━。
きっと、あなたならこの花の名前が分かるよね。
あの時、中庭に咲いていた花の名前を調べて驚愕した。
シラン、ママハハのシリヌグイ、両方共に花の名前だったなんて。あの時、私が転んだ時に衣服についていた植物の名前のことを言っていたんだね。
青木くん、発する言葉が少ないよ。主語がないから分からなかったよ。
探すのにも時間がかかってしまった。
私のこと覚えてくれているといいな。
「いらっしゃいませ、どのような花をお探しですか? あ、君は━━」
とある花屋に入店すると、エプロン姿の店員が、出迎えの言葉を詰まらせる。
やっと、見つけた。懐かしい。あの頃の面影がある。
その反応は、私のことを覚えているということだよね?
「青木くんっ!この花と共に、私の気持ちも受けとってください!」
顔中真っ赤になりながら、私は藍の花を差し出した。
「この花は?えっと……あ……い……ちゃん?だよね? ははっ、懐かしいな、よくここが分かったね?相変わらず、突っ走ってるね、え?ちょっ、いきなり?」
「……だって、ずっと、ずっと、後悔してたの!あの時は、本当に、私……学校とかでも色々と言われてて、青木くんもやっぱりそうなのかって思って……。青木くんっ、言葉が少ないよ!」
「あー、なんか俺言ったかな……ごめん。
あの、この花のお礼と言うか……あれだけど、これ、ほら、早く受け取ってよ」
青木くんは、店先の低木に咲いている花を手折り戻ってくると、そっと私に向かい差し出した。
花束を渡して、お礼に花を貰う。しかも勤めている花屋の店先に咲いている花を渡される。これは、いったいどんなシチュエーションだろうか。
昔だったら、速攻で結論を出していた。
散々振り返ってきた思い出から学んだこともある。
きっと、青木くんの行動には意味がある。
まじまじと差し出された花を見つめる。
図鑑を見てきたから、それなりに花の知識はある。
あっ!エビ茶色の花は、《《アオキ》》
「━━アオキ?」
「そう、だから、この花と一緒ってこと。これ藍の花でしょ?」
「《《藍》》」花の名前のことなのに、自分の名前を呼び捨てにされたみたいで、くすぐったくて、ふわふわとした気持ちになる。
「う、うん、そう、藍の花。え、じゃ、じゃあ……?」
「あいちゃんは、すぐ突っ走るよね。ははっ、あの頃と変わらない。でも、花のこと調べてくれたんだね。嬉しいな。ゆっくり始めよう、これから一緒に」
「うん!宜しくお願いしますっ!」
「ははっ」
「ふふふ」
私達はいつの間にか、あの頃に戻ったように感じていた。
もうあの時のことを振り返って、後悔に苛まれることはないと思う。今度は笑い話として受け入れられるかな。
これから、やっと前に進んでいけそうだから━━。



