ライバルがユーレイなんて聞いてない!



「きれいだね……」

「うん、きれいだな」


 俺たちは一旦石段に座り、そのまま花火を見ることにした。
 ヒュルルという音とともに天に昇り、パッと花開いた直後にパーンという音が聞こえる。

 そしてすぐに次の花火が上がる。

 しばらくは夜空をいろどる花々に見とれていた。
 ふと隣を見たら、虹架ちゃんがひとみをキラキラかがやかせながら空を見上げていた。

 グーゼンだけど、二人で花火を見られてよかった。
 花火をうれしそうに見上げる虹架ちゃんの笑顔が見られてよかった。


「……好きだな」


 虹架ちゃんの笑った顔が好きだ。
 そう思ったら、自然と声に出していた。


「え……?」


 虹架ちゃんがおどろいた顔で俺を見つめる。

 もしかして、今の聞こえてた?


「あっ、えっと、今のは」

「わかるよ、わたしも好き!」

「えっ!?」

「花火ってすごくきれいだよね。わたしも大好きだよ」


 ちがう、俺はそういう意味で言ったんじゃない。


「そうじゃないよ。花火も好きだけど、そういう意味で言ったんじゃない」

「どういうこと?」


 きょとんと小首をかしげる虹架ちゃんの目をまっすぐ見て、俺はいった。


「俺は、真白さんのことが好きなんだ」

「え……」


 急に花火の音が遠くなったみたいに、周りのざわめきが消えた。

 もしかしたら声が少しふるえていたかもしれない。
 顔が熱いのは花火のせいじゃない。

 心臓の音がとにかくうるさい。
 それでも俺はもう一度言った。


「ずっと真白さんのことが好きでした」