ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 雷斗は手ににぎりしめていた消しゴムを虹架ちゃんに差し出す。


「これ、ずっと借りててごめんね。ありがとう」

「消しゴム……ううん、わざわざありがとう」


 虹架ちゃんは受け取った消しゴムを見て、何かに気づいたみたいだった。


「あれ? 何か入ってる?」

「もうカラカラにひからびちゃった」

「! 四葉のクローバー?」


 虹架ちゃんは消しゴムケースの中から、押し花みたいになった四葉のクローバーを取り出した。


「本当はね、これをわたしたかったんだ。サプライズで」

「ありがとう、雷斗くん。約束、覚えててくれたんだね……」


 虹架ちゃんの目に涙が浮かび上がる。


「やっとわたせた。ずっとそれをわたしたかったんだ」

「ありがとう……本当に、雷斗くんなんだね」


 ポロポロ涙を流しながら、消しゴムとクローバーを大事そうに抱きしめていた。


「それからね、もう一つ伝えたいことがある」

「何?」

「晴真のこと、よろしくね」


 ……えっ?


「あいつ、すっごくいいやつだし虹架ちゃんのこと、大事にしてくれると思うよ」

「えっ?」


 ちょっと待て! いきなり何言い出すんだよ!

 お前が本当に伝えなきゃいけないことがあるだろ。


「……もういかなきゃ」