ライバルがユーレイなんて聞いてない!



 俺たちを出迎えてくれたのは、優しそうなおばさんだった。


「初めまして、八雲神社の八雲黎です。祖父から連絡があったと思うのですが……」

「あなたたちが雷斗のお友達? まあ、四人も来てくれたのね」


 この人が、雷斗のお母さんか。
 すごく優しそうなひとだな。


『……かあさん』


 俺の背後で雷斗がポツリとつぶやく。
 その目には涙が浮かんでいた。

 雷斗が泣いたところは初めて見た……。


「どうぞ中に入って、雷斗に会ってやってください」


 当たり前だけど、お母さんに雷斗の姿は見えてない。

 息子は目の前にいるのに、雷斗の存在に気づいてないんだ。


「……おじゃまします」


 俺までしんみりした気持ちになりながら、中に入らせてもらった。

 リビングには仏壇があり、雷斗が笑っている遺影が飾られていた。
 正しく、雷斗の姿だった。


「本当に雷斗んちなんだ!」

「夕季!」


 思わず声に出てしまったユッキーの口を、あわててウッキーがふさぐ。


「あ、すみません。えっと、雷斗の家なんだな〜って思っちゃって」

「ふふふ、いいのよ」


 雷斗のお母さんはにこやかにほほ笑む。


「お友達が遊びに来てくれて、雷斗も喜んでると思うわ」