コトドリ様

どこからか怒号が聞こえてきたかと思うと、葵と梢の体を締め上げていた蔦が苦しむようにうごめきだした。
蔦がふたりの体を放り出し、ふたりは地面に叩きつけられる。

葵「いった……」

葵がすぐにスマホを握りしめて、燃え盛る木を映した。
木に埋め込まれてしまった子供たちの顔は苦痛に歪み、涙を流している。

梢「美紀ちゃん!!」

梢が木に取り込まれてしまいそうな美紀の体にすがりつき、力任せに引きずり出した。
美紀がその場に崩れ落ちる。
途端に、木の中に埋まっていた顔たちがうごめき、木の中から肩が現れ、両手が突き出された。
それはまるで生まれたての子友達のようだった。