コトドリ様

けれど、イジメがなくなったからといって梢の心までが癒えるわけじゃない。
心の傷は長い時間をかけなければ治らない。
「梢をちゃんと病院に連れて行った方がいいのかも」
私は当時のことを思い出して苦い気持ちになりながら言った。
「病院なんて……」
そう言いかけたお父さんが言葉を切った。
カウンセリングや病院へ行くことは隠さなきゃいけないこと。
お父さんたちの年代では、またそういう思い込みがあったりする。
だけどすぐに思い直したように「そうだな。それが梢のためになるなら」と、言い直した。
一番いいのは梢にとってなにが最善かということだ。
「明日、梢に確認してみましょう」