溶けたチョコレートは甘々で

あの子たちは勇気を出して、たくさんの人だかりに入って、優太にチョコを渡したんだ。


涙が溢れて止まらない。


そこで、自分が今校舎裏にいることに気づく。


夢中で走ってたら、こんな所まで来ちゃった……。


壁に背を預けながら手に持っていたチョコを見たとき。



「秋月ちゃん!!」



息を切らしながら、私のもとに佐々木くんが歩いてくる。


「急に泣いたからびっくりしたよ。……もしかして俺、しつこかった?ごめんね……」

「ちっ、違うよ。佐々木くんのせいじゃ、ないの……」


「じゃあ、どうして泣いてるの」


何も言えなくて、ゆるりと下を向くと、佐々木くんが顔をのぞき込んでくる。


「……もしかしてそのチョコ、好きな奴に渡すためのもの?」


小さく頷いて返す。


「……そんなに、そいつの事好き?」


また、頷いて返す。


「ねぇ、俺じゃ……だめ?」

「……え?」


思わず顔を上げると、佐々木くんは真剣な顔をしていた。