溶けたチョコレートは甘々で

「そんなぁー」


眉を下げる佐々木くんにもう一度「ごめんね」と謝って、席から立ち上がる。



……そろそろ、潮時だ。



もうすぐ最終下校時刻なのに、まだ優太の周りは女子たちが集まっている。


私はあそこの中に混ざることなんてできない。

そんなんじゃ、告白なんて到底無理。


きっと私は……優太の相手になれない。


それに初恋は実らないっていうしね。


そう悟った瞬間、目の前に佐々木くんがいるのに、涙がこぼれ落ちた。


「秋月ちゃんっ!?どうしたの、大丈夫!?」

「ご……めん。だい、じょぶ……!」


半ば叫ぶように言うと、机の横にかけてある鞄を掴んで走り出した。




***


さっき見た、優太の困りながらもチョコを受け取っている姿が脳裏を通っていく。


チョコを受け取ってもらえた女の子たち、喜んでた。

顔を真っ赤にしてた子もたくさんいた。

告白した子もそれなりにいた。


その子たちが羨ましくて、嫉妬心が湧く。