溶けたチョコレートは甘々で

「溶けてる。ごめん、また作り直すから、明日でもいい……?」

「いや、そのチョコがいい」


「え?でも」

「いいから」


優太は私の手からチョコをそっと取ると、封を開けチョコを摘んだ。

そして、そのままぱくりと食べてしまう。


「ああ!」

「……美味い。美味いよ、チョコ」


「でも、溶けてるよ」

「それでも、華那がせっかく作ってくれたし。……本当に美味いから。ほら」


チョコを一つ摘み、私の口元に持ってくる優太。


も、もしかして……あーん、ってこと?

かあああっと顔が熱くなる。


「溶けちゃうから、早く」


さっきより更に、チョコを近づけられる。


恥ずかしけど、溶けちゃうし……!!


思い切って、パクリとチョコを口に入れた。


「──── おいしい」

「でしょ?」


あ、でも……優太の手が。


私がさっさと食べないせいで、溶けたチョコレートが優太の手にベッタリとついてしまっている。


「優太、ティッシュ出すから待って」

「いや、いいよ」


「え、でも……」


ティッシュを出そうとしていた手を止め、優太の顔を見た瞬間。


ぺろりと、優太がそのチョコを舐め取った。


「なっ………!」


そうして、少し不敵に笑ったのだった。







      溶けたチョコレートは甘々で 【完】