あの一言がよっぽど効いたらしく、あれ以来絡んでこなくなった彼女は、毎日笑顔で「おはよう」「また明日」と、挨拶程度しか話しかけてこなくなり、ようやく平和且つ平凡な日常が戻ってきた。
しかし、日に日に僕の苛立ちは募るばかりだった。
「何。責任でも感じてるわけ」
朝早くに登校すると、雑巾を手に持つ彼女がぎょっとする。
目の前には僕の下駄箱。そこには、落書きとは到底思えない悪質な悪口ばかり書かれていた。
「お、おはよう」
けれど、彼女は挨拶をするだけ。いつものように。
「はい、どうぞ」と、上靴だけは取ってくれたが。本当にそれだけで。
「……勝手にすれば」
気付いていて、見て見ぬ振りをした僕に文句の一つも言わないまま。
ただ彼女は、「ありがとう」と嬉しそうに笑っていた。
【AOI BRUE SKY 2】



