青い青い空


 ランチタイムはいつも賑やか。豊富なメニューもさることながら、しっかりと計算し尽くされた栄養バランスで、社食が非常に充実しているからだ。

 外勤の中には、わざわざ昼食を食べに戻ってくる人もいるほど。一般開放の中には常連客や厨房に弟子入り志願する人までいるという。

 新入社員受け入れの準備や研修生の指導、部署異動など、会社全体が慌ただしくしている中、いつにもまして食堂は大盛況。恐らく皆、日替わり定食目当て。何せ今日は、一番人気の鯖の竜田揚げ定食だから。


「青崎ちゃん」


 食堂の窓側。奥から二つ目の特等席でひと足先に、その一番人気を平らげた私に声をかけてきたのは、同期の 黒瀬 雅(くろせ みやび)

 目鼻立ちがとても整っており、道行く人は必ず振り返るという。見ず知らずの人から何度「お美しいですね」と言われているのを耳にしたことか。

 スタイルもよく、副業で女優やモデルをしていると言われても誰もが納得するだろう。寧ろ存分にしてくれと言いたい。写真集を出せば絶対に馬鹿売れすること間違いなしだから。


「今日は何読んでるの?」

「【青い空(あおいそら)】」

「ほんとその本好きだねー」