ざざっと一覧の資料にまとめてきたのは、これまでデビューしてきた作家のうち、普段とは違うジャンルで書いてもらった本の数々。
「読者アンケートでは、『新鮮でよかった』などのご意見を戴いています」
「反対に叩かれるケースもあるけど」
「否定はしません。けれど、見ていただきたいのは作者のアンケートの方です」
「『いい気分転換になった』『ものの見方や着眼点を変えるきっかけになった』ねえ」
「一つの作品に集中されるのも勿論手です。雪ノ平先生の作品はシリーズものなので、行き詰まった場合の逃げ道もしくは気分転換に、こんな企画もしていたなと。頭の隅っこの方にでも入れておいていただければ」
「今すぐ書けって話じゃないの?」
「そんな無茶は言いませんよ。ただ、執筆中に思い付いたネタでもあれば、気分転換に書かれてもいいのではないかなと。あ、今すぐ出せそうなら拝読します」
「流石にないから」
そう言ってから、彼は訝しげな顔でこちらに視線を投げた。
「聞いてもいい?」
「はい。何なりと」
「何しに来たの今日」
「……顔合わせ? ですね」
「あとは、気分転換の提案? ですかね?」



